2021.07.07
カナダは移民を積極的に受け入れている国で、様々なバックグラウンドや文化を持つ人々が暮らしています。そのような国際的な環境の中だと留学生も現地での生活に溶け込みやすいため、非常に人気の留学先の1つです。
カナダに留学する目的や方法は多岐に渡りますが、現在、カナダの公立カレッジへの留学が非常に注目を集めています。日本ではたくさんの有名私立大学がありますが、カナダ人は基本的に公立校に進学します。カナダ出身の学生も多くいる中で専門的な分野を勉強していくというのは大変ですが、学ぶことも多く、日本で得ることの難しい経験や交友関係を築いていくことができます。
カナダで公立カレッジを卒業すると、Post-Graduation Work Permit(通称ポスグラ)と呼ばれる就労ビザを申請することができ、卒業後に一定期間カナダで働くことが可能です。この期間に就労経験を積むことでカナダへ移民する道が開かれることもあり、公立カレッジへの進学は、将来的にカナダで働いてみたい方や移民を目指す方におすすめの留学方法です。また、カナダの4年制大学に進学を希望される場合も、公立カレッジで取得した単位を進学先の大学へと移行することで、留学費用を抑えることが可能です。
今回はバンクーバーに位置するカレッジの中でも特に大学編入に強いLangara Collegeをご紹介しながら、公立カレッジへ進学するメリットを見ていきます。
Langara Collegeのキャンパスはバンクーバー市内にあり、95%のプログラムが開講されているメインキャンパスにはダウンタウンから電車で20分ほどでアクセスすることができ、周辺は住宅街なので集中して勉強に取り組める環境です。カレッジと聞くと、日本の短期大学を想像しがちですが、Langara Collegeは大規模なカレッジです。23,000人の学生が学んでおり、130のプログラムと1,700を超えるコースを提供しています。たくさんの留学生もこちらのカレッジで学んでおり、6,000名が在籍(日本人は200人ほど)しています。
現地では大学編入に強いカレッジとして知られており、カナダの名門大学であるUniversity of British Columbia(UBC)への編入者数はダントツの1位を誇ります。UBCだけではなく、隣の市にあるSimon Fraser University(SFU)にも多くの学生が編入しています。
卒業後にカナダで就労することのできるPost-Graduation Work Permitの申請も可能な公立カレッジなので、その後の仕事に直結するようなスキルを学ぶことのできるキャリアプログラムも豊富に提供されており、映画やIT、ビジネスなどバンクーバーでも大きな産業に関わる分野が特に人気を集めています。
現地の学生も多く通う公立カレッジの入学条件は私立のカレッジよりも高く設定されていることが多く、英語に自身のない留学生には入学が難しい場合もあります。Langara Collegeではキャンパス内でLEAPプログラムを提供してます。こちらは留学生を対象としたアカデミックイングリッシュプログラムで、英語力の向上はもちろん、カレッジや大学に入学した後に必要となる学習スキルを学ぶことができます。レベルは8段階で設定されており、ご自身にあったレベルで勉強することが可能です。
LEAPプログラムを受講される場合は、LEAP 8まで修了するか、校内で行われているLET(Langara English Test)をパスすることでLangara College本科へ入学することもできます。
大学では理論を中心とした学びを行うことになりますが、公立カレッジではローカルの企業が必要としている人材育成も大きな役割の1つであり、Langara Collegeでも70を超えるキャリアプログラムを提供しています。こちらでは卒業後すぐに仕事ができるような実践的なスキルを学ぶことができ、Certificate(1年)やDiploma(2年)に加えて、既に学位を持っている方に向けたPost Degree Diploma(2年)があり、目的や期間に合わせた就学が可能となっています。
Langara Collegeのあるバンクーバーは映画やゲーム産業において、北米でも3番目に大きな都市です。この分野の求人も多く出ており、それに伴ってLangara Collegeのキャリアプログラムでこれらの分野を専攻にした学生の就職率も高く、人気のプログラムとなっています。
加えて、「ノースオブシリコンバレー」と呼ばれるバンクーバーはIT系の企業も多く、こちらに関連したプログラムも注目を集めています。
また、バンクーバーはカナダで一番大きな港のある都市なのでビジネスも盛んに行われています。そのため、たくさんの学生がLangara Collegeでビジネスを学んでいます。他にも看護学や幼児教育なども日本人留学生の間では人気のプログラムです。
カナダは連邦制を採用しているため、州によって教育システムが異なります。例えば、留学先として人気のバンクーバーのあるブリティッシュコロンビア州とトロントのあるオンタリオ州でも教育システムが異なります。
Langara Collegeのあるブリティッシュコロンビア州では州をあげて大学編入プログラムを行っています。オンタリオ州や日本などの場合、高校卒業後に大学へ進学するためには、大学に出願するのが基本です。一方で、オンタリオ州と比べると大学数の少ないブリティッシュコロンビア州では、いきなり大学へ進学するのではなく、まずは公立カレッジで2年勉強して、その後に大学へと進学していくシステムです。そのため、公立カレッジで提供されている1年次、2年次のコースは大学の1年次、2年次のコースと全く同じになるように全てのコースが査定されています。逆に言うと、公立カレッジのコースが大学の同じコースより簡単ということではありません。内容も時間数も採点方法も同じです。全く同じコースをカレッジで取るという感じです。
このコースの管理はBC Council on Admission & Transfer(BCCAT)という州の機関により行われており、こちらが提供しているBCTRANSFERGUIDE.CAというウェブサイトではどのコースが別の大学のどのコースに当たるのかという詳細を確認することができます。
総合大学に比べると公立カレッジは1クラスの規模が小さく、クラスメイトや先生とのコミュニケーションが取りやすいというのは大きなメリットです。Langara Collegeの場合、文系の場合は平均40人、理系の場合は平均32人となっています。同じクラスを受講する場合でも総合大学では数百人の受講者がいる場合もあります。UBCの一番大きな教室には600人の学生が入ることができるそうです。
大学編入に向けてスムーズなトランジション(編入)ができるシステムが整えられており、先生に質問がし易いというだけでなく、チューターサービスも様々な科目で提供されているため、留学生にとって非常に学びやすい環境だと言えます。
大学に編入する際はカレッジでの成績を提出する必要があります。そのため、勉強し易い環境で高い成績を維持することは大学編入を目指す学生にとってとても重要です。別の見方をすると、日本の高校の成績に自信がない場合でもカナダの公立カレッジでしっかりと勉強し、高いGPAを保つことができれば、有名大学への進学の道も開かれる可能性があります。
公立カレッジでは3学期制を採用しており、夏学期(5~8月)に提供されているコースが多いことが特徴です。カナダ人の学生は夏の期間に働いて学費を稼ぐ方も多く、この期間は大学であまりコースが開講されません。
カナダで学位を取るためには4年で40教科を修了する必要があり、1年あたりだと10教科を修了しなければなりません。これを2学期でやろうとすると、1学期に5教科を学ぶことになります。この5教科をハンドルし、編入のための成績を維持するというのは留学生にとって非常に困難です。しかし、3学期制を採用している公立カレッジでは、まずは3教科から始め、慣れてきたら他の学生のように教科数を増やしていくなど自分のペースに合わせ勉強することができます。また、編入先の大学によっては、GPAだけでなく、「自分が勉強以外に何をやってきたか」をアピールするためのパーソナルプロファイルを求められることもあり、勉強以外の経験もしっかり積んでおく必要があります。そのための時間を確保するためにも3学期制というのは留学生にとって大きなメリットとなります。
日本の大学に進学する場合、入学する時点でどの学部のどの学科に進学したいのかをしっかりと決めておく必要があります。一方、Langara Collegeには様々なプログラムが用意されているため、自分の興味のあるコースをいくつか受講してみて、その後に、将来どういったことを学んでいきたいのかを考えることができます。例えば、経済学やマーケティングを受講した後、ビジネスではない文系の専攻に進みたいと思った時に、それまでに学んだ経済学やマーケティングを自分が選んだ専攻科目の選択科目の一部として使える場合もあります。この柔軟性も公立カレッジで学ぶ大きな魅力の1つです。
University of British Columbia (UBC) | $51,206 |
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Simon Fraser University (SFU) | $33,375 |
University of Victria (UVic) | $24,926 |
Langara College | $18,762 |
BUSINESS PROGRAM, 30 CREDITS, FALL 2020 DATA
本科への進学は上述のようにIELTSやTOEFLのスコアが入学条件を満たす他にも下記のような方法があります。
LEAPプログラムのレベル8を修了していない方でもLET(Langara English Test)をパスすることでカレッジ本科に進学することができますが、カリキュラムについての部分でも述べたように、LEAPプログラムでは英語を学ぶだけではなく、カレッジや大学で必要となる学習スキルを学ぶことになります。これを身に付けずに進学してしまうと、成績を維持することが難しい場合もありますので、少なくともLEAP 6までは修了しておくことが望ましいです。
今回は、大学編入プログラムを中心にカナダ・バンクーバーにあるLangara Collegeをご紹介してきました。Langara Collegeという1つの学校だけを見ても、大学編入プログラムや学士号(Bachelor’s Degree)取得を目指すプログラム、キャリアプログラムなど、目的に合わせた様々なプログラムが提供されています。「将来的に総合大学に編入したい」「卒業後にカナダで働きたい」など留学前から進路も考えつつ、プログラムも選んでいきましょう。
カナダでの進学をご希望の場合は、州によって制度や大学の入学条件の特徴なども変わってきます。さらに大学やカレッジ留学となると長期での留学となりますので、留学先となる都市選びではご自身が暮らしやすい気候や雰囲気のエリアを選んでおくことも重要なポイントです。
また、上述のようにカレッジへ進学する場合には高い英語力が求められます。現段階で英語力が入学基準を満たしていない場合は、語学学校や今回ご紹介したLEAPプログラムなどでの勉強も視野に入れつつ、留学前のなるべく早い段階から英語の勉強を始めておきましょう!
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